まさかの幕切れで、中日岩瀬仁紀投手(42)が史上最多950試合登板を達成した。1点リードの9回に登板。1死一、二塁から3番坂本勇を中飛に打ち取り、2死。一塁走者の重信が二塁を踏まずに一塁に戻ったため、次打者阿部を打席に迎えた後、岩瀬が二塁にボールを送ってアピールプレーで試合が終わった。岩瀬は「あんな終わり方は初めて。何となく二遊間の2人が呼んでいるな、と。久しぶりに1点差で9回だったので緊張した」とホッとした表情。1回0封で2セーブ目を挙げ、自身の最多セーブ記録を404に更新。最多登板に花を添えた。

 球界最年長で並ぶロッテ井口が一足先に引退を決め、岩瀬の進退も注目されるようになった。抑えとして働けなければ引退と決めていた時期もあったが、長く悩む中で心境は変化。「弱いチームで終わりたくない。CSの重圧、日本シリーズの緊張感から遠ざかっている。知らない子の方が多くなっている。何とか知ってもらいたい」。

 近い関係者には今年の結果次第で、1000試合を目指す可能性も示している。目標を聞かれた42歳左腕は「自分自身(の目標)はない。1つ1つ、1試合1試合を頑張りたい」。積み重ねた先に大記録が見えてくる。【宮崎えり子】

 ▼岩瀬が6日の巨人18回戦(東京ドーム)にリリーフ登板し、通算950試合登板のプロ野球新記録をマークした。初登板は99年4月2日の広島1回戦(ナゴヤドーム)で、4日の巨人戦で米田(近鉄)の949試合に並んでいた。この日は404セーブ目を挙げ、通算最多セーブのプロ野球記録も更新。42歳8カ月でセーブは、岩瀬自身が今年の6月23日巨人戦でつくった42歳7カ月のセ・リーグ最年長セーブを更新した。