西武打線の歴史的猛打が止まらない。4番山川穂高内野手(26)が、先制満塁本塁打&ダメ押し3ランで7打点を挙げるなど10安打で今季最多12点を奪い、ソフトバンクとの首位攻防戦を制した。5試合連続9点以上は、05年阪神以来となるプロ野球タイ記録で、パでは初。昨季1勝11敗と苦しんだヤフオクドームで、17年6月24日以来305日ぶりの勝利を挙げた。5連勝で貯金12に伸ばした。

 左中間スタンド中段に、ほんの一角だけ陣取ったレオファンに向かって、4番山川がピンポイントで祝砲を打ち込んだ。浅村の2点適時打でプロ野球タイとなる5試合連続9得点以上とした直後、142キロの外角直球を豪快に引っ張った。ヤフオクドームで305日ぶりの勝利を決定づける9号3ランに、静まりかえる敵地のダイヤモンドを悠々と1周した。

 「僕が今日は打点を挙げましたけど、毎日ヒーローは日替わりでいいと思ってます。つなぎに徹して、なおかつ自分でも決められるようにしたい」と喜んだ。

 3回2死満塁からは、バンデンハークの外角への154キロ直球を、逆らわずに右翼のホームランテラスに運んだ。「一番いいのはバックスクリーンへのホームラン。自分の間合い、タイミングで打てました」。9本塁打&28打点は断トツのリーグ2冠。自身最多の1試合7打点と大暴れした。

 首位と13・5ゲーム差の2位だった昨季は、ヤフオクドームで1勝11敗、北九州で1敗とビジターでは不思議なほど勝てなかった。ただ昨季のシーズン途中からブレークした山川自身は、7月中旬からスタメンに定着し、初4番は同8月20日。試合前には「僕は途中からだから知らないんです。今年は今年」と豪快に笑い飛ばした。

 満塁本塁打直後の3回2死一塁から、富士大の後輩「リンゴスター」外崎が3号2ランで続くと、山川は沖縄名物の指笛をピーピー鳴らして出迎え。6回には源田の適時打、浅村の左翼フェンス直撃の2点適時打と止まらない。先発の陽気なドミニカン、カスティーヨは遠征直前にモヒカンに刈り上げた。練習中から「フリー(無料)フリー(無料)」とマイバリカンでモヒカン仲間を増やそうと必死だが、誰も乗ってこない。笑いの絶えないムードに、打線もノリノリだ。

 辻監督は「今日は大事な試合。去年勝てなかったから、みんな思っていた」と言った。4番が打ち、打線がつながり5連勝。貯金も今季最多の12に伸ばした。【前田祐輔】