東洋大の最速157キロ右腕、甲斐野央投手(4年=東洋大姫路)がメジャースカウトのスピードガンで最速98マイル(157・7キロ)を計測し、勝ち点2に貢献した。先発した同じくドラフト1位候補の上茶谷大河投手(4年=京都学園)との完封リレーで、国学院大を1-0で退けた。立正大は亜大に2-0で勝利し今季初勝ち点を挙げた。

 甲斐野が“東都リーグ最速”を更新した。1-0の9回2死。3番西丸への4球目が、メジャースカウトのスピードガンで「98マイル」(157・7キロ)を計測した。ファウルとなった1球は神宮球場のスピードガンでも155キロを記録。甲斐野は「全然分からなかった。球場も、どよめいてなかったし」と笑った。

 神宮球場で計測された、東都リーグでの過去最速は10年に中大・沢村拓一(巨人)が出した157キロ。甲斐野は今春のオープン戦で最速157キロを出した。「神宮のスピードガンでは155キロが最高。自分としてはそれが自己最速の意識」と控えめだが、この日も150キロ台を連発。「普段スピードは意識していませんが、今度はできれば神宮のスピードガンで出したい」と、正真正銘のリーグ史上最速も頭の片隅に置いた。

 185センチ、75キロの大型右腕に日米7球団が視察。剛速球とスプリットを操り、取りたい場面で空振りを取れるのが最大の魅力だ。2回無安打2三振の好投でチームは単独1位に立った。甲斐野は「今日は(先発した)上茶谷のおかげ。勝つと負けるでは全然違う。勝てて良かった」とニッコリ。この春、青天井の豪腕がサラリと160キロを出しても不思議はない。【和田美保】

 ◆甲斐野央(かいの・ひろし)1996年(平8)11月16日、兵庫県生まれ。東洋大姫路では1年秋からベンチ入り。東洋大では昨秋初勝利を挙げ5勝をマーク。最優秀投手とベストナインを獲得し春秋連覇に貢献した。185センチ、75キロ。右投げ左打ち。