西武の“満塁男”森友哉捕手(22)が、ひと振りで勝利を決定付けた。

 「日本生命セ・パ交流戦」中日戦(メットライフドーム)、1試合で3回、満塁の場面で打席を迎えると、3-2の6回2死満塁で満塁弾。5月27日の日本ハム戦以来となる今季5号を放った。3回1死満塁でも右前適時打で先制点を挙げ、今季満塁で打率3割8分5厘と驚異的な数字をたたき出す、山賊打線恐怖の6番だ。

 森は走りながら、高々と右拳を突き上げた。1点リードで迎えた6回2死満塁、フルカウントから中日又吉の6球目、真ん中に入ってきたスライダーを捉えた満塁弾。「援護点がすごくほしい場面だった。自分の中で、価値のある、すごくうれしい1発だったので」と汗をぬぐった。

 「今日はこういう日なのかな」と思ったという。3度、満塁のチャンスでまわってきた。1回2死満塁では空振り三振に倒れたが、3回1死満塁で右前打を放ち先制点を挙げた。満塁は13打数5安打、打率3割8分5厘と勝負強い。

 4試合ぶりに6番捕手でスタメンに名を連ね「気合が入っていた」。6回は、山賊打線が誇る浅村、山川、外崎のクリーンアップの連続四球で、満塁になった。森は「クリーンアップの状態がいいし(6番は)チャンスで回って来ることが多い。次につなぐ意識を持っている」と振り返った。

 開幕以降は5番を任されていたが、5月下旬に打順を下げた。辻監督は「クリーンアップが打つと(6番は)ポイントゲッターになる。まさか満塁ホームランとは思わなかったけど、あれが効いたんじゃないかな」と絶賛した。山賊打線を、満塁男の6番が支える。【保坂恭子】