日本ハム堀瑞輝投手(20)が同世代のライバル右腕に投げ負けた。今季2度目の先発は5回を自己ワーストの10安打7失点で降板。7回3安打無失点で2勝目を挙げた楽天藤平とは対照的な内容で、今季初黒星を喫した。ただ、首位西武も敗れてゲーム差4は変わらなかった。今日10日からはソフトバンクと敵地で3連戦。今季大きく勝ち越している相手の対戦から仕切りなおす。

 堀は何度もマウンド上で首をひねっていた。キレと球威を欠く直球は、序盤から楽天打線にとらえられた。「全然、力が入っていない真っすぐだった」。修正が利かず、悩みながら投げるため、リズムも悪く、痛打を食らい続けた。「テンポが悪かった。全体的に真ん中に集まった。打たれるのはしょうがない」。同学年の楽天藤平に負けたくない思いも「自分のことで精いっぱいだった」。バックを守る野手にもリズムは生まれず、散発3安打で今季10度目の0封負け。最下位の楽天に投打で完敗した。

 3回までに6失点だった堀は、5回まで続投した。7日から始まった3週連続6連戦。最初の週の3戦目で、中継ぎ陣を序盤からどんどん投入するわけにはいかないチーム事情もある。ただ、将来の先発ローテを背負うべきサウスポーだ。5回降板とはいえ、106球は1軍の舞台ではキャリアハイ。札幌ドームのマウンドだから学べることもある。「先発として、そこ(5回)までは絶対に投げないといけないと思った」と、今後への糧を得た。

 栗山監督は堀を5回まで投げさせたことについて、直接的な言及はしなかった。「全ては今日の試合を勝つためにやっている」としたが、別角度の視点から「いろんなことを投げながらプラスにしてくれると信じている。これを先につなげてくれると信じている」とも話した。この日は首位西武も敗れた。ポジティブに捉えれば、ゲーム差が広がらず、堀にも貴重な経験を積ませることが出来た。シーズンは残り45試合。全てを2年ぶりのリーグ制覇への力に変えていく。【木下大輔】