尻上がりに調子を上げた。阪神秋山に、本来のボールが戻ってきた。ワインドアップから投げ込むコースいっぱいの直球。シュート回転は消え、跳びはねるようなフォームで躍動感を取り戻した。6回10安打2失点(自責1)。6月7日以来の6勝目は逃したが、手応えに表情は和らいだ。

 「3回からは力が抜けて、いい球がいっていたかな。途中からの感覚を忘れないようにやっていきたい」

 1軍マウンドは7月20日以来。2軍で一定の好感触を得たとはいえ「久々で完全な自信もなかったなかで不安が出てしまった」と1回を振り返る。失策も重なって打者2人で先制を許すなど1回に5安打2失点。それでも体がほぐれた2回、3回と本来の姿に。金本監督も「尻上がりに、だんだんスピードも上がっていった。キレもだんだんでてきたので、途中から安心して見ていました」とたたえた。

 軸として期待されながら2度の2軍調整を経験。先発した試合でチームが勝つのも6月7日以来だった。「久々に投げる試合が勝ち試合になって、すごくホッとしています」。夏場の勝ち頭になってほしい投手。つかんだ手応えを次は白星につなげる。【池本泰尚】