打っても守っても、“夏バテ”気味だ。日本ハムは敵地の京セラドーム大阪でオリックスと対戦し、1-6で完敗。ここまで安定していた先発の村田透投手(33)が、立ち上がりの1回にまさかのKO。早めの継投も打線がつながらず、守っては勝負どころで痛いタイムリーエラーも飛び出した。8月の総移動距離は直線距離で実に8479キロにものぼる過酷な日程。真夏の強行軍は9勝13敗2分けと、大きく負け越している。

打っても、守っても、どこか元気がなかった。日本ハム打線は7安打を放ちながら、得点は1回に挙げた1点のみ。投げては先発の村田が、自らの犠打野選などで招いた無死一、三塁のピンチに、犠飛と2連続長短打で、あっという間の3失点。栗山監督は「点数を与えちゃいけないところで、与えないようにしないといけない」。初回2死の継投で、早めの勝負に出た。

2番手・加藤が粘り、いったんは立て直したものの、5回には1死満塁でレアードが適時失策。膠着(こうちゃく)しかけた試合の流れを、ミスで手放した。

8月は9勝13敗2分けと、負け越しが決まっている。チームは、27日に札幌から東京経由で宮崎に移動。28日にオリックスとのナイターを戦い、前日29日に大阪入りしていた。今月は移動ゲームを伴う6連戦が4度もあり、うち1つは最も遠い札幌~福岡。記録的な酷暑の中、8月の総移動距離は札幌~ロンドン間に匹敵する約8479キロにものぼる。真夏の強行軍に、あるチームスタッフは「今月は移動が多くて、疲れていないと言ったらウソになりますよね」と、選手らを思いやった。

5試合ぶりの黒星で、首位西武とのゲーム差は7に広がった。栗山監督は「誰がどうとかではなく、チームとして勝ちきらないといけない時期。勝てないのは俺の責任。いつも、一緒や」と、口元を引き締めた。過酷な移動月間を締めくくるように、今日31日も大阪から千葉へ場所を移してのロッテ戦(ZOZOマリン)。残り28試合。正念場でこそ、意地を見せる。【中島宙恵】

◆日本ハム8月の移動距離 遠征が多く、総移動距離は直線距離の計算で約8479キロにも及んだ。1日のロッテ戦(帯広)デーゲーム後に東京へ飛行機移動、21日のソフトバンク戦(静岡)はナイター後に東京へバス移動などのほか、10日の札幌から福岡への移動後にナイターなど、休まる時間が少なかった。21日ソフトバンク3連戦は初戦が静岡で2戦目以降が東京ドーム、今カードのオリックス戦も28日に宮崎で戦った後、この日は京セラドーム大阪と、同一カード内で移動をともなうことも多かった。