習志野(千葉)がブラスバンドの美爆音に後押しされ、鮮やかな速攻で10年ぶりのセンバツ勝利を飾った。

日章学園(宮崎)から初回に7点奪取。先頭の竹縄俊希外野手(3年)が初球を打って失策で出塁。1死二塁で3番根本翔吾外野手(3年)が右前適時打を放ち、開始から6球での先制に成功した。“2人の主将”の活躍を小林徹監督(56)も評価。2回戦では奥川恭伸投手の星稜(石川)とぶつかる。

試合開始のサイレンとともに、ダブルキャプテンがチームに流れを引き寄せた。先頭の竹縄が初球をたたいた。相手失策と犠打で二塁へ。「絶対に打ってくれる」と3番の根本に思いを託した。「強い気持ちで打席に立てた」と根本が振り切った一打は右前適時打になり、竹縄を本塁に迎え入れた。これをきっかけに、チームは初回に7点。試合の主導権を握り、根本は「僕と竹縄で先制点を奪えたのは、この半年を象徴しているように思います」と胸を張った。

今年の習志野は、竹縄、根本の2人の主将がチームを率いる。新チーム結成時は責任感の強い根本が主将だったが、昨年10月に千葉県大会決勝で敗れると、小林監督は負担を減らすために竹縄も主将に指名した。根本は「竹縄は冷静に、僕は元気と勢いで。いいバランスができました。チームが苦しい時も2人で話し合い乗り越えられた」という。2人のカラーが融合し、チームが1つにまとまった。関東大会終了後には、2人で話し合い機動力を課題に練習を徹底。初回、相手失策を絡めながらの猛攻撃は、2人が描いた習志野そのものだった。

アルプスからは約200名のブラスバンド、通称「美爆音」も選手たちを後押しした。応援が相手のミスを誘い、日章学園は4回までに6失策。4回には、失策で二塁に進んだ根本が相手のけん制悪送球で一気に本塁を陥れ、8点目を奪った。

次は大会NO・1右腕を擁する星稜と対戦する。「自分たちの力を出すだけ」と根本。ダブルキャプテンを中心に、チーム一丸となって立ち向かう。【保坂淑子】