仙台大の最速153キロ右腕・稲毛田渉(4年=帝京)が先発し、7回1安打11奪三振の好投を見せた。プロ6球団のスカウトが視察する前で1本塁打は浴びたが、2失点(自責1)で勝ち点奪取に貢献。ドラフト指名に向け、投球フォーム修正で昨秋からの不調を脱却した。

稲毛田は切れ味鋭い直球で、3球三振からスタートした。開幕節は試合がなく、今季リーグ戦初登板。最速は144キロだったが、フォークやスライダーも交えて、左足を高く上げるダイナミックな投球フォームが躍動した。「100点というわけではないですが、7、8割の力で良い感じになってきた」。2失点した2回以外は、すべて3者凡退でリズムを作り、仲間の逆転劇につなげた。

3季ぶり優勝に加え、プロ入りも目標の1つ。課題も自覚している。2回表の先頭には追い込んでから直球が逆球となり左翼ポール際に運ばれた。2死後も四球。直後に左翼手が落球し、失点。「ホームランは自分のミスですし、四球を出さなければエラーもなかった。評価していただくには結果が第一。甘くないことは分かっています」と気を引き締め直した。

1年秋には宮城教育大戦で15奪三振完封など、4勝を挙げて優秀新人賞を受賞した。だが、昨秋は絶不調に陥り、わずか1イニング登板のみ。今冬は首脳陣と相談しながらフォーム改革に着手した。「直球にこだわるのでなく、変化球とのコンビネーションでストライクゾーンで勝負するため」。大リーグの投手映像なども参考にしながら、2段モーションも新たに取り入れた。

先月10日に行われた日体大との練習試合では、自己最速を3キロ更新する153キロをマークした。今季から背番号18を任された責任も背負い、「勝てる投手になります」と発言も力強さを増した。【鎌田直秀】