ミスター・ゼロや! 阪神の新外国人ピアース・ジョンソン投手(27)が、来日初勝利を挙げた。「アリガトウゴザイマス!」と満面の笑みで喜び「逆転勝ちに貢献できてうれしいよ」と満足そうに話した。

出番は1点をリードされた8回に来た。だが「最後まで何が起こるか分からない」。4番手で登板し150キロ超のストレート、持ち味のパワーカーブを駆使して、DeNAの中軸打者ソト、ロペス、筒香をピシャリと3人で切って取った。直後の9回に近本の3ランで逆転。白星が転がり込んできた。

公式戦は10試合に登板したが、いまだに無失点を継続中だ。さらに、練習試合、紅白戦の計2試合、オープン戦も7試合無失点だった。つまり、来日以来ずっと無失点という抜群の安定感を誇っているのだ。矢野監督も「ずっといいピッチングをしてくれている。ああいう場面でも大丈夫というのは見せてくれているんでね」と信頼感は絶大だ。右腕は「特に何か特別なことをやっているわけじゃないけど、グラウンドに出たらしっかり練習して体調を整えるようにしているよ」と胸を張った。

ジョンソンは来日初勝利のウイニングボールをこの日のヒーロー近本に進呈するつもりだ。「(ボールは)もらっていないけど、近本がもらうべきじゃないかな。今日は大活躍したし、彼は(新人だが)本当に大物になるステップを踏んでいる」と絶賛した。

27日からは12連戦がスタートする。ジョンソンら中継ぎ陣の出番も多くなりそうだ。メジャー経験者のジョンソンにとって12連戦は長いほうではないが、チームを支えるセットアッパーとして、思い切り腕を振るつもりだ。【高垣誠】