12連戦の最後に落とし穴が…。矢野阪神が痛恨ドローを喫した。5点リードの楽勝ムードだったが、8回裏に投入した福永が1死も取れず炎上。救援したジョンソンも来日初失点するなど、まさかの1イニング5失点で追いつかれた。12回には代打中谷が勝ち越しの2点打を放って今度こそ勝ったと思わせたが、島本が救援に失敗。勝てば5カード連続勝ち越し&2位タイ浮上など会心の数字が並んだだけに、ホロ苦い夜だ。

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まさかの展開が待っていた。2点を勝ち越して迎えた延長12回。4連投となった8番手島本がつかまった。先頭山田哲に左翼越えのソロを浴びると、2死二塁から中村にフォークをすくわれて打球は右翼方向へ。舞い上がった打球は前進守備の右翼江越の頭上を越えてグラウンドに弾む。島本は「球が高かった。自分のせいで勝てた試合を落としてしまった」とガックリ。土壇場で引き分けに持ち込まれた。

試合終盤に鉄壁のリリーフ陣にほころびが出た。5点リードで迎えた8回裏。4番手福永が4連打を浴び、2点を失った。ベンチはたまらず切り札のジョンソンを投入。しかし助っ人右腕でも流れを食い止められなかった。5番雄平に左翼への2点タイムリー二塁打を浴び、1点差に詰められると、さらに7番村上には同点の犠飛を許し、来日17試合目で初失点を喫した。

試合時間は4時間53分。超ロングゲームを終えた矢野監督はナインを集めて異例のミーティングを実施した。「追いつかれたというのは、もちろん俺の責任やと思う」と責任を一身に被った指揮官だが、引き分けにも意味があると力説。「昔、巨人やったかな。オレらがそんなんがあって。申し訳ないという部分と、プラスに捉えること両方ある」と前を向いた。

勝てば2位ヤクルトと同率で並んだが、地獄の12連戦も8勝3敗1分けと大きく勝ち越した。直近の15試合では11勝3敗1分けだ。日替わりヒーローの出現で急上昇カーブを描いた。指揮官は「12連戦の終わりに逆転負けとなってしまうとやっぱり重い。ギリギリで止められたということは本当に選手に感謝している」と前を向く。首位巨人とは3ゲーム差。チームは決して悲観する状況にない。【桝井聡】