中日柳裕也投手が今季自己最長の8回を無失点で投げ抜き、チームの連敗を止めた。

3回、先頭のメッセンジャーから6者連続奪三振。93年郭源治が持つ球団記録の7者連続奪三振には届かなかったが、直球、チェンジアップ、スライダーを狙ったコースに決め、好調な阪神打線を5安打無得点に封じた。自身初の2ケタ12奪三振で、キャリアハイのシーズン3勝目を手にした。

「最後まで行きたい気持ちはあった。勝てない何か(球数)があった。上ずっていた部分もあった」。昨年4月10日ヤクルト戦(ナゴヤドーム)以来のプロ2度目の完封勝利は、8回降板でお預けになった。まず反省が口をつくも、表情には充実感も漂った。

この日、不整脈で離脱中の開幕投手・笠原が約1カ月で戦列復帰するめどが立った。吉見、山井も離脱し、開幕ローテーションを守っているのは柳、大野雄、ロメロの3人だけ。笠原と同期、同学年の柳は「笠原とも連絡は取ります。ケガ人も多く、先発投手が大変な状況。大野さんにしっかりついていけるように投げたい」。7日の広島戦でチーム完封一番乗りを果たした大野雄に触発された。先輩左腕のように「心と体をコントロールできた」と自画自賛。勝利数と奪三振で自己最多をマークし、新たな壁を乗り越えていく。【伊東大介】