オリックスが4月26日以来約4カ月ぶりとなる待望の最下位脱出を果たした。試合を決めたのは安達了一内野手(31)だ。1-1の同点で迎えた9回、2死走者なしからロッテ守護神益田の高め146キロ直球をとらえた。打球はオリックスファンの待つ左翼スタンドに着弾する決勝の2号ソロ。「久々の感触だった。真っすぐ1本で思い切っていきました」。執念の一振りで死闘に終止符を打った。

「オリックスでお世話になったので、オリックスで優勝目指して頑張りたい」。昨オフに3年契約を結び、並々ならぬ覚悟で挑んだ今季は開幕から攻守で精彩を欠き、4月4日に2軍降格。しかし6月に復活した後は開幕直後とは別人のような働きで勝利に貢献し続けている。

西村監督は「最後よくあそこで打ってくれた。ここのところ頑張ってくれている。特に守備の方でも。存在感を出してくれている」と称賛。16年に発症した潰瘍性大腸炎と闘い、体を張りながら8月は2割9分2厘、2本塁打、14打点と奮闘している。

チームは8月14勝9敗と大きく勝ち越し、5位に浮上。ロッテ戦は5連勝で、同カード2年連続の勝ち越しを決めた。安達は「乗っていけたらいい。これから本当に大事。チーム全員で頑張りたい」と力を込めた。最後は「自分のものにしないといけない」とオリックス社CMでおなじみの「やる気MAX! オリックス!」と言い残し、胸を張って球場を後にした。チーム愛あふれる背番号3が、逆転CS、そして悲願の頂点へ。先頭に立ってチームを鼓舞していく。【古財稜明】