「平井様」が、またもや記録を伸ばした。西武平井克典投手が楽天戦で今季80試合目の登板を果たし、05年藤川(阪神)に並ぶ史上2位タイに浮上した。

3点リードの8回。背番号25がマウンドに立つと、前回21日の登板で同点本塁打を喫した藤田が代打に入った。「絶対にやり返す気持ちでした」。気合の3球で二ゴロにねじ伏せると、続く9番辰己、1番島内を連続三振に仕留め、力強いガッツポーズを繰り出した。21日に61年稲尾のリーグ記録を超える79試合登板も、自己ワーストの5失点で負け投手に。「ずっと悔しくてモヤモヤしていた」気持ちを払う14球だった。

飛躍の裏に学びの姿勢がある。監督推薦で初の球宴出場を果たした7月、多くのスターが並ぶベンチで、12年連続50登板以上を続ける日本ハム宮西に声を掛けた。オフの過ごし方やマウンドでの心構えなど、具体例こそ明かさないが、通算300ホールド超えの先輩から多くの助言を得た。「今でも会えば話してくれます」と感謝を忘れない。

史上2位タイの記録に「偉大な先輩たちに並べたのはうれしい」と笑顔も「まだ優勝が決まってないので。最後は笑って終われるようにしたいですね」。余韻に浸るのは連覇を決めてからだ。【鈴木正章】