東大は逆転負けで、今季を10戦全敗の最下位で終えた。17年秋から続く連敗は42となった。

前日の1回戦に8回2失点で完投したエース小林大雅投手(4年=横浜翠嵐)が、2試合続けて先発。球を低めに集め、内角も積極的に突き、6回まで5安打1失点に抑えた。打線は6回までに4得点。3点リードで終盤7回に入った。

2年ぶりの勝利まで、あと3イニングだった。だが、そこから暗転した。7回、小林大は1死から2四球を出し、斉藤に左中間へ2点適時二塁打を打たれ、1点差。8回には、先頭の福田に右中間へ同点ソロを打たれた。さらに9回、2点を勝ち越された。打線は7回以降は追加点を奪えなかった。

小林大は9回11安打6失点。2試合連続完投負けした。

浜田一志監督(55)の目は赤かった。試合後の会見。「ごめん…」と言葉に詰まりながら、帽子を目深にかぶり、口を開いた。

「悔しい試合でしたけど、選手たちは今の戦力の中で全力を出してくれた。誇りに思います。小林に、どうしても1勝させてあげたかった。ノスタルジックに引っ張ったわけではなく、現状で一番いい投手に託しました。チーム力は出し切ったと思います」

小林大は通算51試合、0勝29敗で大学野球を終える。「打線が打ってくれ、僕に1勝を、とやってくれたのに、最後に応えられなかったのは、僕が下手くそだった。それに尽きます」と責任を負った。

野球は大学で終える。「たくさん投げて、うまくいかないこともあった。相手が強いのは分かっている。肝心なところで勇気を持って、球が遅い分、気迫で10キロ、15キロ、上乗せできるか。勇気を持てるか。これからの人生でも決断の瞬間があると思う。臆せず、思い切りぶつかっていきたい」と前を向いて話した。