鉄砲肩で勝負だ。阪神からドラフト4位指名された東海大相模・遠藤成内野手(18)が、神奈川・相模原市内の同校で畑山統括スカウトらの指名あいさつを受けた。「指名を受けて、友達からたくさん声をかけてもらったけど、浮かれずに、基本からもう1回、自分を見つめ直していきたい」。甲子園を沸かせたU18日本代表は、表情を引き締めた。

高校通算45本の長打力に加え、投手としても最速145キロの強肩が魅力だが、プロでは遊撃手1本で勝負する。土の甲子園、深い三遊間へのあたりも145キロの地肩でカバーだ。お手本は西武源田でプラス、虎の新鉄人も目指す。「金本さんや鳥谷さんなどは、ずっとフルイニング出場を重ねた体の強い選手というイメージ。けがせずに年間を通して試合に出られるようになりたい」。目標を虎のレジェンドに定めた。

努力は惜しまない。昨夏前に右手首を骨折。その期間もトレーニングに手を抜かなかった。ポール間ダッシュを20本、その後に半ポール間ダッシュを20本。最後にはバイクをこいで徹底的に下半身を鍛え続けた。つらい時はエンゼルス・大谷翔平の写真を見ては「(大谷さんに)負けたくない」と自身を奮い立たせてきた。

鉄砲肩でレギュラーをつかみ、フルイニング出場へ。向上心あふれる万能型ルーキーに、乞うご期待だ。【只松憲】

◆遠藤成(えんどう・じょう)2001年(平13)9月19日生まれ、秋田県出身。東海大相模では1年春からベンチ入りし、甲子園は18年春と19年夏の2度出場。今夏の神奈川大会決勝・日大藤沢戦では横浜スタジアムのバックスクリーンに2発。甲子園初戦の近江戦(滋賀)では8回途中1失点と二刀流で活躍した。U18高校日本代表。178センチ、84キロ。右投げ左打ち。

▽阪神吉野スカウト バッティングが力強い選手。最速145キロの肩の強さも高く評価した。他の選手や甲子園で活躍した同期から刺激をもらって頑張ってほしい。