日本ハムのルーキー吉田輝星投手(18)が18日、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で初の契約更改交渉に臨み、30万円増の年俸1030万円で一発サインした。

今季は6月にプロ初登板初勝利で鮮烈デビューも、1勝3敗で課題が明確に。来季は落差の大きいフォークを習得して開幕ローテ入り、そして球団ではエンゼルス大谷翔平投手(25)以来となる高卒5年以内での年俸1億円突破を目標に掲げた。(金額は推定)

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紺地にストライプのスーツ姿で記者会見場に現れた吉田輝は、初めての契約更改を終えて、すっきりとした表情だった。「緊張はしなかったけど、すごい汗が出ました」と苦笑いも「金額が上がってうれしかった。来シーズンへの原動力になる」。30万円の微増で、一発サイン。わずかな昇給分は「貯金したい」としながらも、将来的には「やっぱり1億円を超えたい」と、一流への道を思い描いた。

大台到達への期限を、球団の育成対象選手から外れる23年オフまでと定めた。高卒3年目と球界最速タイで1億円を突破した大谷や、高卒4年目で一気に2億円に達したダルビッシュ(カブス)など、今や米球界で活躍する偉大な球団OBたちの後を追う。

21世紀生まれで初の勝利投手とはなったが、満足はしていない。ルーキーイヤーの今季は1勝3敗。6月12日広島戦(札幌ドーム)でプロ初登板初勝利を飾ったが、その後は試合を作れなかった。「全力を出しても打たれる時があった。厳しさを思い知らされた」と、プロの壁を痛感した1年だった。

来季の目標は、開幕ローテーション入り。先発枠に食い込むためには、持ち味の直球を生かす変化球が必要となる。今月9日まで約10日間の日程で参加した米アリゾナキャンプで、ヒントを得た。メジャーの選手が多く通う米施設「ドライブライン・ベースボール」で、動作解析のプロたちから助言を受け「フォークボールを、しっかり練習したい。すごい、落ちる…みたいな。ちょっと深めに握ったら回転数が落ちて落差が増えた」と、完全習得に意欲を燃やす。

「来年はもっと納得できるシーズンにしたい。シーズンインから全力を出せるように、もっと言えばキャンプから出せるように、体を作っていきたい」。2年目の戦いは、もう始まっている。【中島宙恵】