中日がドミニカ共和国出身のルイス・ゴンザレス投手(27)、育成契約選手としてモイゼス・シエラ外野手(31)を獲得することが4日、分かった。ともに、契約は合意に達しており、近日中に正式発表される。ゴンザレスは速球派左腕で、メジャー移籍濃厚のロドリゲスの代役、シエラはビシエド、アルモンテの控えとして期待される。

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来季の竜に2人の新外国人が加わることになった。ロドリゲスに代わるセットアッパーにゴンザレス、育成契約ながら、走攻守3拍子そろった外野手のシエラの2人。ともにロメロやアルモンテと同じドミニカ共和国出身だ。

ゴンザレスは150キロ超の速球を武器とする左腕だ。「与田監督が視察して、獲得が決まった」と、加藤宏幸球団代表(60)は説明。11月下旬から12月1日まで、指揮官自ら出向き調査したドミニカ・ウインターリーグで直接プレーを見て、白羽の矢を立てた。

来日2年目の左腕ロドリゲスは才能を開花させ、今季64試合3勝4敗1セーブ41ホールドで最優秀中継ぎ賞を受賞した。しかし、メジャー志向が強く、来季契約を望んだ中日にも高額の契約金を提示。保留者名簿からも外れ、メジャー移籍が濃厚だ。

ゴンザレスはメジャー経験こそないが、直球とスライダーのコンビネーションを生かした奪三振率の高さが自慢。ロドリゲスのメジャー流出で欠けるピースを埋めるのにぴったりだ。

また、ロドリゲスとともにセットアッパーとして活躍したキューバ代表のR・マルティネスの来季契約がキューバ政府の返事待ちと不透明。また契約できても東京五輪予選の影響で、3月20日の来季開幕には間に合わないことが必至の状況。新助っ人左腕の加入は、来季9年ぶりのV奪回を目指す中日にとって、頼もしい存在になる。

育成契約のシエラは、ビシエド、アルモンテの控えになる。アルモンテは、与田監督の中南米視察の際に直接面談し、来季契約が合意に達した。ただ、股関節の故障から85~90%程度の回復度合いで、もし古傷再発など故障が発生した場合には、シエラを支配下登録に切り替える可能性もある。「キャンプで確認して、良ければ支配下もある」と加藤代表。与田竜2年目への助っ人に光が差した。

◆モイゼス・シエラ 1988年9月24日生まれ、ドミニカ共和国サントドミンゴ出身。05年にブルージェイズと契約し、12年メジャーデビュー。13年WBCドミニカ共和国代表。今季はメキシカンリーグでプレーした。185センチ、105キロ。右投げ右打ち。

<中日の外国人選手>

●ビシエド(内)=残留。来季は3年契約の2年目

●ロメロ(投)=残留。来季も1年契約

●ロドリゲス(投)退団濃厚。メジャー移籍必至で保留者名簿から外れる

●R・マルティネス(投)=微妙。来季契約を打診中。キューバ政府からの返答待ち

●A・マルティネス(捕)=微妙。来季も育成契約を打診。キューバ政府からの返答待ち

●アルモンテ(外)=残留。

◆ルイス・ゴンザレス 1992年1月17日生まれ、ドミニカ共和国バルベルデ州出身。10年に米国球界デビュー。188センチ、77キロ。左投げ左打ち。