中日大野雄大投手(31)が6日、名古屋市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、7000万円アップの年俸1億3000万円プラス出来高でサイン。チームの日本人投手で最高年俸となった。

契約年数について大野雄は「1年契約」ときっぱり。早ければ来年6月に国内フリーエージェント(FA)権の取得条件を満たす。球団側は3年契約も提示していたが、FA権行使を視野に入れて単年契約を結んだ。

好条件以外にも、新球団事務所での大トリ更改役に指名してくれた球団に対しては「ありがたい気持ち」と熱意は十分に感じた。しかし、FA権行使については「まだわからない。ただ1年間しっかりやれないと権利は生きてこない。まずは、来年しっかりやる」と話し、契約交渉の席では宣言残留が可能であることも確認した。

今季9月14日阪神戦で史上81人目のノーヒットノーランを達成し、9勝をマーク。昨季0勝から巻き返した。11月のプレミア12でも代表入りし金メダルを手にした。「世界一になれて、すべてが吹っ飛ぶ喜びがあった。東京五輪でこれを感じたいとさらに強く思った」と振り返った。

今季は防御率2・58で初タイトルの最優秀防御率賞も受賞。「何でもいい。個人タイトルを取りたい。取ればチームの順位にも間違いなく関係してくる」とけん引役を継続する決意も表明した。2年連続タイトル、2年連続代表入りでの五輪出場、そして国内FA権の取得へ。10年目の来季は、大野雄にとって激動の年になる。【伊東大介】