虎新助っ人の制球力は上原級!? 阪神が15日、新外国人としてジョー・ガンケル投手(27)の獲得を発表した。

1年契約で年俸50万ドル(約5500万円)。メジャー経験はないが、3Aでの4シーズンで与四球率は1・19。通算与四球率のNPBトップは上原浩治氏の1・20だけに、ガンケルの驚異の制球力がうかがえる。先発候補として期待される右腕は伸びしろ十分で、強力投手陣をさらにパワーアップさせる。

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ブレークの可能性を秘めた右腕が、虎の新たな仲間となる。獲得が発表されたガンケルは球団を通じ「しっかりと準備してキャンプに合流したい。自分の持ち味である攻めのピッチングができるように頑張っていきたい」とコメントした。メジャー経験はない右腕だが、驚くべき数字をたたき出してきた逸材だ。

身長196センチから投げ込むスライダーが武器で、シンカーも操る。直球の最速は150キロ超で、平均146キロという。驚きはマイナー通算172試合の与四球率が1・49と、数字上は1試合で2四球はない制球力を誇る点だ。さらに3Aでの4シーズンに限れば1・19まで下がる。今季NPBで規定投球回数に到達した両リーグ投手で、最も与四球率が低いのは楽天美馬で1・50。NPB通算でトップは上原氏の1・20。3AとNPBの比較は一概にはできない。だが、ガンケルのコントロールの良さが群を抜くことは、間違いない。

阪神入りを決めた背景として「ヤクルトのマクガフ投手から日本の野球の素晴らしさを聞いていたので、阪神からオファーをいただいた時は、大変興奮しました」と語り、16年オリオールズ傘下3A時代のチームメートで、今季ヤクルトで65試合に登板したマクガフの存在を明かした。主に先発として活躍し、阪神でも先発候補として期待される。谷本球団副社長兼本部長は「注目していた投手。上背があり、制球が良く、いろんな球種で空振りが取れる。チーム内の競争は激化するでしょう。何より日本でやってやろうという気持ちを買っています」と心意気にも目を細める。

今季はマーリンズ傘下3Aで19試合に登板して8勝2敗、防御率3・80だった。マイナー通算45勝ながら27歳と伸び盛りでもある。谷本球団副社長は「ジェフ(ウィリアムス駐米スカウト)に言わすと、上半身で投げるタイプなので、下半身が使えるようになれば、もっと良くなる、と」。強力投手陣に、レジェンド左腕も太鼓判を押す、楽しみな戦力が加わる。(金額は推定)

◆K/BB 奪三振数÷与四球数で算出される。四球が少なく、三振を奪える投手の数値が高くなる。一般に3・50を超えると優秀とされる。NPBでは、通算1500回以上投げた投手の中で、巨人・上原が6・64でトップ。