巨人菅野智之投手が、30歳で迎えるシーズン開幕を前に「今」を語った。先月中旬から約1カ月間のハワイ自主トレでは順調に調整し、同行した後輩たちからも感嘆の声が漏れるボールを投げ込む。記者の頭にGoPro(ゴープロ)をつけたリアルな映像とともに、その迫力に迫った。【取材・構成=久保賢吾】

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企画の趣旨を説明すると、菅野は「面白そうですね」と笑顔で快諾してくれた。キャッチボールが始まると同時に、記者のおでこの中央にGoPro(ゴープロ)を装着。「今、大丈夫ですよ」とOKサインを受け、捕手役の宮国の後ろに回った。「ここ、来ますよ」。宮国の予言通り、ボールは構えたグラブに吸い込まれた。

「捕手の目線ではどうなのだろうか」。記者の欲求に、同行する鍬原が応えてくれた。「エグイ」「ヤバイ」。ボールの威力、キレのすごみは鍬原の言葉が物語った。「投手目線からはどう映るのだろうか」。許可を得て、菅野の後ろに回った。球界屈指のスライダーを撮影させてもらったが、キレと変化量の大きさは迫力満点だった。

撮影後、菅野自ら動画を「どんな感じで映ってますか?」とチェックした。投手目線、捕手目線の映像を凝視。「編集が終わったら、また見せてください」と言った。企画を通じ、リアルなボールの軌道とともに、菅野の探求心にも触れた。【久保賢吾】