広島床田寛樹投手(24)が25日、会沢翼捕手(31)から“愛のカツ”を入れられた。沖縄・春季キャンプ最後のブルペン入り。今季初めて投球を受けた正捕手の会沢に「このままの状態では通用しない」と苦言を呈された。悩める左腕が復調を目指し、日々もがき続けている。

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ブルペンで約40球を投げ終えた床田に、投球を受けた会沢から険しい表情で本音をぶつけられた。「このままの状態では通用しない。全然球がきていない。分かっているだろうけど、このままで開幕を迎えて通用する世界じゃないから」。カツを入れられた床田は「もともとやばいなと思って、なんとかしないと、と思っていた。開幕も近いので、言われるのは当たり前のことです」と下唇をかんだ。

昨季は先発ローテーションの一角を担い、7勝を挙げた。今季は開幕ローテーション入りが有力視されていたが、キャンプ序盤から調子が上がらず、調整遅れが目立った。22日のヤクルト戦では3回無失点だったが、復調の兆しは「まだ見えていない」と納得していない。「会沢さんと自分で思ってたところが一緒だった。自分の今の立ち位置がある程度、分かったかなという感じです」とこの日の投球練習を振り返った。

悩める左腕について横山投手コーチは「今もがいている状況」と説明する。「ずっと開幕に向けて右肩上がりに調子を上げていくのは無理。小さな波もありながら、最終的に上がっていければ俺はいいと思う」と伝えたという。自身の経験も踏まえ「しんどい時期に来ているのは間違いない。そこで変に力が入ってケガをしては絶対に困る。体のケアをしっかりしながら少しずつ考えていこう」と助言を送ったという。

練習後には佐々岡監督からも直接指導を受け、下半身の使い方を教わった。「床田は器用だから、下半身を使わなくても投げられてしまう。それだったら通用しない。しっかり下半身を使って投げた方が自分のためになる」と指揮官は話す。開幕まで時間が迫っている。左腕は「1歩ずつでは遅いと思うので、早くきっかけをつかみたい」と引き締めた。チームにとって必要不可欠な存在。正捕手の厳しい言葉は期待の裏返しだ。【古財稜明】