広島鈴木誠也外野手が調子を上げてきた。3点を追う8回1死。松山の代打で出場し、岩崎の1ボールからの2球目、甘く入った148キロ直球を左中間テラスへ放り込んだ。ここ5試合で3発目。

「集中力を持って打席に立てたのがいい結果につながったと思います」。控えメンバーの出場機会を増やすため出番は1打席のみだったが、主砲の代打弾をきっかけにこの回3点を奪って引き分けに持ち込んだ。

オープン戦7戦目の7日西武戦で1号を放ち、翌8日の西武戦で松坂から2戦連発の2号。3月序盤は苦戦したが、復調しての量産ムードに「そこは気にしてないです。それよりもケガしないように集中してやっていきたい」と引き締めた。無観客試合が続き、モチベーションを保つのが困難とされる中で集中力を失わない。「シーズンに入ったら雰囲気も変わると思う。今は普通にやっていればいい」と冷静。開幕延期にも「仕方ないこと。日程が決まったら決まったところに合わせていくだけです」。東京五輪の侍4番候補は、1スイングに全力を尽くしていく。【古財稜明】