阪神藤川球児投手(39)が、ドラフト6位小川一平投手(22=東海大九州)に「愛のゲキ」を飛ばした。

甲子園での全体練習。17歳差のキャッチボールが初めて実現した。新人右腕は入団当初から「憧れは藤川さん」を公言している。その思いにベテランは「尊敬なんかしてるから(自分に)勝たれへんねん、とは言いますよ」と、照れ笑い。続けて「彼も1年目で、自分も現役で長いこといられないだろうから。元気なうちにキャッチボールをすることで、何か気づくかもしれない。その可能性をと思って」と、ボールに込めた思いを明かした。

夢のような時間を過ごした小川は「(人生で)一番、緊張しました。やっぱり一番、球が重い。ビックリしました」と笑顔。求めたアドバイスの内容は「企業秘密です」と胸にしまい、ノートに書き記すという。「尊敬なんか-」という先輩からの言葉を伝え聞くと「まだ目標で。ここから、いろいろ聞いて吸収して。自分の中で超えていければ」と励みにする。

今季の守護神に指名されている藤川は1軍本隊を離れ、20日からの2軍の名古屋遠征に合流して調整登板する。「1軍との対戦を避け、球児がいろいろ試したいことがあるし。それも隠すという意味で」と金村コーチは意図を明かした。チームの精神的支柱が戦略的に準備を進める。【奥田隼人】