開幕3カードを終えて6勝8敗1分け。チーム状況を考えれば、よく耐えているといっていいかもしれない。今後、日本ハムが上位に浮上していくうえでポイントになるのは、6~8番を打つ選手の活躍だと考えている。上位打線に並ぶ打者は、力のある「計算できる選手」たち。現在は本調子じゃなかったとしても、シーズンが終わってみれば、しっかりと成績を残せる選手たちだ。

戦力の整っている楽天、デスパイネらが帰ってくるソフトバンクに食らいついていくには、プラスアルファの存在が大事になる。その中で、僕は清宮の力が必要になるだろうと感じている。

打率0割8分、1本塁打。つらい日々だろう。今は自分自身がどういう方向へ向かっているのか、見失っているのかもしれない。だがこれは誰もが通る成長の過程。技術的なことはコーチと相談してやっていってもらいたいが、あらためて考えて欲しいのは「自分はどういう選手になりたいのか」ということ。

同い年のヤクルト村上、後輩のチームメート野村が活躍し、意識しなくても周りは比較してくる。だが「清宮は清宮」。これからチームリーダーになっていかなければいけない選手だ。

チームは「リーダーの色」に染まると考えている。周囲の選手は、どんなときもリーダーを見ている。調子が悪いときにどう振る舞うのか、もだ。リーダーが勝利よりも個人のことに走ってしまうと、チーム全体は方向性を見失う。ベンチは暗くなり、チームそのものがスランプに陥る。こうなるとプレーがだんだん萎縮してくる。だから僕は、チームがスランプのときほど、あえて大胆にプレーするよう心掛けてきた。できたとは思わないけど、連敗を止められる選手になりたいと思ってやってきた。

何度も言うが清宮は将来のファイターズを引っ張っていかなければいけない選手だ。プロ野球界は、ある意味で成績を残せばリーダーにはなれる。でも今だからこそ、自分がリーダーになった時の想像をしてみてほしい。チームが勝つために考えてやっていく事、それは今の自身にとっても壁を打ち破る光になるように思う。

最後に一言。頑張れ幸太郎!