大学、社会人野球のドラフト候補が、待ち焦がれた公式戦で道を切り開く。星槎道都大の192センチ右腕、河村説人(4年=白樺学園)は9月1日開幕の札幌6大学秋季リーグに臨む。コロナ禍で春の大会が中止になり、残されたアピールの場で結果を出す。

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河村が、この秋の投球で評価アップを狙う。既に日本ハムなど9球団のスカウトが視察。力を示すはずだった春季リーグが中止となり「この秋にかかっている。テーマは『圧倒する』。チームとしても負けない投球を突き詰めたい」と気を引き締めた。

武器は長身から投げ下ろす角度ある最速150キロの直球と落差のあるカーブ、フォークなど縦の変化球。昨秋、自身最多のリーグ3勝を挙げ、大学日本代表候補にも初選出された。課題の制球も、全体練習自粛中に「体の右側への意識が強かったが、少し左にずらしたり。フォームを変えたわけではないが、いろいろ試し、ちょうどいい感覚がつかめてきた」と言う。

後輩からも刺激を受けた。15年夏の甲子園でバッテリーを組んだ川波俊也さん(23)の弟で白樺学園の瑛平左翼手(3年)が甲子園交流試合で本塁打を放った。「身近な選手が活躍するのを見て、自分も全国で戦いたいという思いが増した」。昨年の全日本大学選手権は登板なし。秋はリーグ優勝決定戦で敗れた。学生最後の全国舞台となる明治神宮大会出場権を手にし、プロへのステップにする。

春季リーグ中止で4年生32人中19人が就職活動などのため引退。「区切りがないまま辞めていった仲間のためにも、自分たちが優勝していい形で終わらないと」。仲間の思いも背負い、戦い抜く。【永野高輔】