ソフトバンクが、1カ月ぶりに2試合続けて勝利した。甲斐拓也捕手(28)が決勝打。守っても4人の投手陣をリードし、無失点の好結果を出した。工藤監督は「久しぶりの沖縄でね、ファンのみなさんの前で初めて連勝することができた。みなさんに楽しんでいただいてるのも見ていてわかったので、良かったです」と、鬼門だった沖縄初勝利からの連勝を喜んだ。

4回1死満塁の打席。甲斐が日本ハム先発の池田から、鮮やかな左前への先制打。6月6日阪神戦以来、自身20試合ぶりの適時打が決勝点となり「くらいついていくことが出来ました。レイが踏ん張っている中で、何とか先制することが出来て良かったです」と胸を張った。

守っては、その裏。1死一塁で、二盗を試みた万波を、代名詞の正確無比な送球「甲斐キャノン」で刺した。このプレーにはスタンドに招待されていた沖縄の野球少年たちも大喜びで、大きな歓声が上がった。先発レイは初回に2四球を与えるなど、不安定な立ち上がりだったが、しっかり立ち直らせて5回0封。来日2勝目を好リードでアシストした。

引き分けを挟んだ連勝はあったが、2試合続けて勝つのは6月5、6日の阪神戦以来だ。ここで甲斐は、5日に17年以来の1試合2本塁打をマーク。続く6日も2本の適時打を放ち、3打点を挙げていた。捕手らしく「自分のこと、打撃のことも大事ですが、チームが勝つことが一番大事なので」と話すが、甲斐が打てばチームが勝ちに近づくことは間違いない。

2位楽天には0・5差に迫ったが、6日からは0・5差で追ってくる4位ロッテと2連戦。指揮官は「勝ってかぶとの緒を締めろ、じゃないですけど、しっかり締めて次につなげていきたい」と気を引き締めた。【山本大地】

▽ソフトバンク明石(5回に右前適時打)「前の(無死一、二塁の)打席でバントを決めることができなかったので、カバーする番だという思いで打席に立った。1本打つことができてよかった」

▽ソフトバンク今宮(7回の適時三塁打に)「(4回の)最初のチャンスで併殺打だったので、ここは絶対に打つんだという気持ちで打席に立ちました。いい形で追加点をとることができて良かった」

▽ソフトバンク嘉弥真(2戦連続登板で好投し、地元沖縄でお立ち台)「とてもうれしい。2戦連続で投げられて幸せです。0点に抑えられたし、いい結果につながってよかった」