敗戦の中で、侍の4番候補でもある広島鈴木誠が今季2度目の1試合2発と意地を見せた。まずは0-0の4回。ヤクルト先発高橋の初球甘く入った144キロを左中間席中段にたたき込んだ。さらに1点を追う8回2死一塁では、3番手星のフォークをすくった。高々と舞い上がった打球は、左翼席最前列に吸い込まれる逆転15号2ラン。「たまたま甘い球を仕留められてるだけですけど、それは今後も続けていけたらいいと思います」。4月8日ヤクルト戦以来となる1戦2発だった。

チーム同様に鈴木誠も今季、苦しんでいる。新型コロナ感染に続き、ワクチン接種の副反応もあった。隔離や体調の変化で、肉体だけでなく、打撃の感覚は大きく狂った。試合に臨みながら、筋力強化や技術の微修正を加える日々は、今も続く。もどかしさやズレは残るが、その中で最善の形を探り、徐々に状態は上向いている。7月の月間5本塁打は12球団最多。月間打点10は同トップタイだ。シーズン打率も、この日の猛打賞で1カ月ぶりに3割に戻した。

チームは最終回に逆転サヨナラ負けを喫した。「少しずついい試合も増えているので、ちょっとしたことで変わると思う。そういうところをみんなで意識してやっていければ」。復調の手応えはある。6回は進塁打を意識したような三ゴロもみられた。自分のことだけでなく、チームのために最善を尽くすのが、主砲の役割だ。【前原淳】