中日福留孝介外野手(44)が、復帰後初の本拠弾でチームを3連勝に導いた。5回、DeNA平田のスライダーを右翼席へ。帰ってきた地元と、豪雨に苦しむ故郷に向けた一振りだった。

「中日福留」として14年ぶりの本拠弾に、スタンドが沸いた。今季2号は07年6月11日ロッテ戦以来の地元弾。「ちょっと泳いだし、ここは広いのでどうかなと思いましたが、よく飛んでくれました」。ナゴヤドームからバンテリンドームに名称は変わっても、ファンの拍手が心地よかった。

「鹿児島出身の福留」として、故郷への思いも抱えて戦った。九州地方に降り続く大雨。「実家も含めて九州の方なので、心配です。なるべく被害が少なくなるように願っています」と故郷を思った。

4回には、先制を呼ぶ三塁後方へのポテン安打。7回にはダメ押しにつながる右翼線二塁打と今季2度目の猛打賞。三塁打が出ればサイクル安打達成だった。「足がもたないです」と笑ったものの、最初の打席はプロ通算996個目の四球を選び、4打席すべて出塁した。「夏は好きです。秘訣(ひけつ)? よく寝てよく食べる。それ以外ない」。サラリと話す球界最年長は、衰え知らずだ。【安藤宏樹】

▼44歳2カ月の福留が本拠地バンテリンドームで今季初本塁打。福留の同球場での本塁打は19年9月13日以来で、通算では歴代1位を更新する88本目(2位はウッズの74本)。また、同球場で44歳の選手が本塁打を打つのは初めてで、12年7月14日巨人戦で山崎(中日)がマークした43歳8カ月を上回る最年長アーチとなった。