東日本大震災発生時の11年以来10年ぶりの仙台開催の球宴を、楽天勢がジャックした。

リーグトップの66打点を誇る島内宏明外野手(31)が3安打3打点の大活躍。8回に先頭小深田大翔内野手(25)が四球で出塁。1死一塁から島内が決勝打を放ち、初出場でMVPを受賞した。

投手陣では則本昂大投手(30)が6回から登板し2回無安打3奪三振無失点。8回から登板した宋家豪投手(28)は2失点で同点に追いつかれるも勝利投手となり、9回は楽天松井裕樹投手(25)が4球で3者凡退に抑え、セーブを挙げた。

東京オリンピック侍ジャパンの田中将大投手(32)、浅村栄斗内野手(30)が体調不調で2戦とも欠場。松井は「投打の柱ですし、見たかったファンの方もたくさんいたと思いますが、その分残った5人が頑張れたので少しは喜んでくれていると思います」とファンを思った。

また、試合前には被災者を代表し、被災時1歳の宮城の野球少年がスピーチを行った。島内は「グッと来るものがありました。自分たちも強く頑張らないといけないなと思った。たまたまですけど、何とか形になってよかったです」とバットに思いを乗せた。則本昂は「(震災時に)僕はこの球団にいませんでしたが、初優勝の時はルーキーでこのチームにいて、やっぱり頑張らないといけないなという思いはすごくありました。震災から10年がたって、何としてもやらないといけないという思いはある。今年だけでなく、これからもそういう気持ちでやっていきたい」と東北のファンへ活躍を誓った。