唯一無二の1日に、ウイニングボールで花を添えた。楽天則本昂大投手(30)が自身3年ぶりの完封勝利で9勝目。48歳の誕生日を迎えた石井GM兼監督に勝利球を贈り「最後まで投げてプレゼントしたいなと思っていたので、できて良かったです」と喜んだ。

何が何でも、勝ちたかった。ここ3戦連続で4失点以上。5回5失点で敗れた前回登板の2日ソフトバンク戦後、指揮官は「うちの主力投手としてプライドを持ってマウンドに上がってくれたか」とチームの看板を背負う自覚を問うた。

右腕もただじゃ、終われない。最速155キロの直球で11奪三振中10個を奪った。最後の120球目は3度首を横に振り、153キロの直球で空振り三振に押し切った。「前回、前々回と情けない投球をしてチーム、中継ぎに迷惑をかけていた。最高の結果になった」と、威厳を見せつけた。

通算42度目の2桁奪三振は、指揮官の日本通算数を超え、歴代単独9位。「成績を残せない中でも声をかけてくれたり、時には指導してもらっているので、すごく感謝しています。まだまだ足元にも及ばないので、少しでも近づきたい」。右肘手術を乗り越え、10年目で7度目の2桁勝利に王手をかけた。恩返しは、まだまだ終わらない。【桑原幹久】

▼則本昂が毎回の11三振を奪って完封勝利。毎回奪三振は自身初めてで、楽天では17年9月1日ソフトバンク戦の岸以来4人、5度目。毎回奪三振で完封勝ちは、11年8月27日ソフトバンク戦の田中に次ぐ球団2人目だ。また、2桁奪三振は通算42度目で、41度の石井一久(現楽天監督)を抜いて単独9位となった。

 

▽楽天岡島(6回に自己最多の8号ソロ。石井GM兼監督の誕生日を1発で飾り)「一番は勝ったことだと思いますので、これからも勝てるように頑張ります」

▽楽天島内(3回に先制の2点適時二塁打でリーグトップの79打点)「監督の誕生日なので、勝ちたかったです。いつも、とんでもない調子でも使ってくださるのでありがたいです」