阪神糸井嘉男外野手(40)が、史上31人目の通算300盗塁を達成した。40歳1カ月での到達は史上最年長。二塁ベース付近で原口から記念ボードを手渡され「みんな喜んでくれてそれが一番思い出になったし、うれしい。勝ち試合でできて本当によかった」と笑顔を浮かべた。首脳陣もナインも、チーム最年長に大きな拍手を送った。

その瞬間は終盤にやってきた。8回無死一塁で代打で登場し、右前打で出塁。一、三塁で打者梅野の初球にすかさず二盗を決めた。昨年7月2日の中日戦(ナゴヤドーム)で通算299個目を決めてから、436日ぶりの盗塁で区切りの数字に到達。ロハスのダメ押し打も呼び込む貴重な足攻めになった。「正直、諦めたって言ったらおかしいですけど、1年半くらいリーチかけてからできなかったんで…」。超人からほっとした本音がこぼれた。

「記念ボードえ~なー!」。前日10日にオリックス時代の同僚でもある西勇が通算100勝を達成すると、自身のツイッターにそう投稿していた。その翌日、二塁ベース上で300盗塁記念ボードを手渡された。つぶやいた夢が実現した。

チームにとって欠かせない存在だ。近年は膝の状態も思わしくなかったが、今季は不安が解消。スタメン、代打と試合によって起用法も変わるが、8月以降は打率3割8厘とバットでも勝負強さが際立つ。残り34試合。頼れる虎の超人は「本当に胴上げ絶対にする! それを胸に誓って残りの試合頑張ります!」と気合を入れた。【桝井聡】