阪神2軍が逆転勝ちで3年ぶり6度目のファーム日本一をつかんだ。0-2の9回。平田2軍監督が試合後に「率直な気持ちはね…半分諦めてました」と打ち明けた状況から、先頭の高山が二塁打で出て、栄枝と遠藤の適時打、敵失で3点を奪った。指揮官が「ナインには勉強させられる。9回の攻撃は見事だった。やはり僕らが鍛えた選手たちだ」と目を見張る反発力だった。

同点打の遠藤はマルチ安打で最優秀選手にも選ばれ「毎日の練習での打開力や忍耐力が9回につながった」と喜んだ。賞金50万円を手にして「(適時打は)先輩たちがつないでくれたので、先輩たちに感謝です。賞金は両親になにか買ってあげたいと思います」と初々しく言った。

1軍は9月22日に首位から陥落。10月8日にヤクルトにマジック点灯を許したが、諦めずに戦い続けている。平田2軍監督は「1軍はまだまだしびれる優勝争いしている。今日の経験を生かして1軍の戦力になるように」と語り、2軍の日本一決定戦で諦めない大切さを体感したナインを1人でも多く1軍へ供給するつもりだ。11日からはみやざきフェニックス・リーグが開幕。1軍の起爆剤になれる選手が待たれる。今季ウエスタン・リーグで86試合に出場した遠藤も「チャンスで打てるような、1軍で活躍できるような選手になりたい」と誓いを新たにした。【前山慎治】