ロッテ小島和哉投手が1球に泣いた。今季3度目の完封まであとアウト4つ。89球目だった。真ん中やや低めを宗にすくわれた。同点2ラン。しゃがみ込み、動けない。

「自分が抑えていれば勝てた試合だったので本当に申し訳ないです」。責任を抱え込み、目を赤くし、益田に肩を抱えられた。

今までのドローとは意味合いが違う。「この3つ、勝つつもりでずっと来てましたので」と井口監督も言葉が重い。「よく投げた」とたたえた。弱いゴロに高いフライ。7回までは危なげなく抑えた。試合中盤で打ち込まれる左腕はもういない。それだけに痛恨だった。

首位オリックスには優勝マジック点灯が迫る。「とにかくまた明日、このカードは間違いなく負けられないので」と井口監督。安打は出始めた。いかに「あと1本」を出せるか。1人の投手に全てを負わせるわけにはいかない。【金子真仁】