北の稲妻になる。巨人育成1位の北海学園大・鈴木大和外野手(22)が、札幌市内の同大学で指名あいさつを受けた。本来右打ちも、50メートル5秒8の俊足を生かすため、札幌6大学秋季リーグ終了後、左打ちに挑戦。「左打ちもできるようになって将来、盗塁王を取れる選手なりたい」と目標を掲げた。

同大学計測での一塁到達タイムは、右打ちで3秒83。指名あいさつに訪れた柏田スカウトは「左にすれば0・2秒ぐらい縮まると言われている。一塁到達3・6~3・7秒なら日本ハム五十幡選手ぐらいの速さになれる」。“サニブラウンに勝った男”と同レベルのスピードを身に付け、早期1軍デビューを狙う。

巨人の俊足選手と言えば、代走でのプロ野球記録132盗塁を記録した鈴木尚広や、83年に年間76盗塁のセ・リーグ記録を打ち立てた“青い稲妻”松本匡史がいる。2人ともプロ入り後に右打ちから両打ちに変えブレーク。鈴木は「左打ちはこすってしまう感じだが、少しずつものにしたい」。水野スカウト部長は「足の速い選手は目にとまりやすい。1日でも早く支配下に入って1軍で活躍してほしい」と期待した。

盗塁王4度獲得の片岡治大コーチも在籍しており「スタートの構えやスライディング、メンタル面も学んで吸収していきたい。走りに適したスパイクなども専門の人に聞いてみたい」。途中出場で守備に入りやすいよう内野の守備練習も開始した。自慢の足を生かすため、すべての可能性を想定し、プロ入り準備を整える。【永野高輔】