ロッテ鳥谷敬内野手(40)が3日、ZOZOマリンで引退会見を行った。

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仲間からの黄色い花束はいったん置き、紫のネクタイをしっかり締め、鳥谷敬は会見場に現れた。

侍のように姿勢を正し、凜(りん)として話した。「1日、1カ月、1年の積み重ねで今日まで来て、本当に辞めるという日が来たんだなという感じなので。そんなに悔いもないですし、すっきりして終わります」。開幕戦に遊撃スタメンで出場するも、32試合で打率1割7分。減りゆく出番に覚悟は決めていた。

最後の1年は、40歳にして新人時代以来の2軍公式戦も経験した。背番号3桁の若手と汗にまみれた。「少なからず一緒にやったチームメートに対しては、どんな状況でもベストを尽くしてやっていく姿は見てもらえたんじゃないかなと思います」とし「自分が唯一残せたもの」と表現した。

長い現役生活で1割少々を過ごしたにすぎないロッテに、多くをもたらした。「始まるということは必ず終わりがある。選手のみんなも現役生活にいつかは必ず終わりがあるので、今ある時間を大切にしてほしい」。今なお強い体幹を感じさせつつステージを降りた侍は、CSに挑む後輩に思いを託した。【金子真仁】

▽早大時代の監督野村徹氏(84) 先日、鳥谷から「悔いなくプロ野球人生を終えることができました」とすっきりした声で引退報告の電話がありました。私は「自分で決めたことを最後まで実行したね」と言葉をかけました。ドラフト1位の評価をしてくれた8球団の中から、縁もゆかりもない関西の阪神を逆指名した理由が「もっともっと鍛えて、選手として長くプレーしたいので、土のグラウンドでやりたい」というものでした。人一倍努力して、体のケアもしっかりして、阪神で終わってもいいところを、ロッテでもチャレンジした。言葉通りの初志貫徹でした。ありがとう、本当にご苦労さまと伝えたいです。

◆鳥谷敬 とりたに・たかし。1981年(昭56)6月26日生まれ、東京都出身。聖望学園を経て、早大で2年春に3冠王。03年ドラフト自由枠で阪神入団。04年から史上2位の1939試合連続出場。17年通算2000安打。20年ロッテ移籍。最高出塁率1度、ベストナイン6度、ゴールデングラブ賞5度。180センチ、79キロ。右投げ左打ち。