阪神の2軍打撃コーチとして元オリックスの藤井康雄氏(59)が入閣することが7日、分かった。

阪急、オリックスの16年間で通算282本塁打を放った左の長距離砲は、95年のリーグ優勝、96年の日本一も経験している。引退後はオリックス、ソフトバンクで打撃コーチを務めてきた。打者のタイプを構えなどで分類した「4スタンス理論」による指導を行う。オリックスではT-岡田、ソフトバンクでは柳田、中村晃らを指導してきた。

阪神では2軍打撃コーチを任される予定だ。プロの現場を離れた20年からは解説者の仕事だけでなく、中学生や関西創価高で指導するなど、若い選手にも接してきた。誠実な人柄で10年にはスカウトも経験しているだけに、若手に理解のある指導者としてうってつけだ。阪神は今年のドラフトでは4位で高校通算37発の前川右京外野手(3年=智弁学園)を指名。藤井2世として、長距離砲として育てることが期待される。ほかにも来季高卒3年目の井上や遠藤などファームには楽しみな打者も多い。

藤井氏は現役時代、歴代3位の通算満塁本塁打を14本放つなど、チャンスにも強かった。ソフトバンクコーチ時代には秋山、工藤監督を支え、指導者として日本一を4度経験している。勝負強さや常勝軍団の心得も注入し、1軍で通用する若手を数多く育て上げる。

◆藤井康雄(ふじい・やすお)1962年(昭37)7月7日、広島・福山市生まれ。泉州(大阪)からプリンスホテルへ。全日本の4番を打つ。86年ドラフト4位で阪急(現オリックス)に入団。02年で引退するまで16年間で通算1641試合、打率2割5分2厘、282本塁打、うち満塁弾14発、861打点。引退後は03年~06年、09年はオリックス、11年から17年までソフトバンク、18年~19年はオリックスで打撃コーチを務める。10年にはオリックスでスカウトも経験。181センチ、92キロ。右投げ左打ち。