阪神は10日、工藤隆人氏(40)が2軍外野守備走塁コーチに就任すると発表し、工藤氏は兵庫・西宮市内の球団事務所で会見を行った。

現役時代は日本ハム、巨人、ロッテ、中日と4球団を渡り歩き主に代走、守備固めが主戦場だったスペシャリスト。中日から縁もゆかりもなかった阪神入りに「お話をいただいた時にビックリしたっていうのが最初の印象」と話し「阪神タイガースの日本一のために少しでも力添えができたらと思い、決断しました」と決意を明かした。

18年に現役引退後、19年は中日の1軍外野守備走塁コーチ、今季は2軍の同職を務めた。阪神とウエスタン・リーグで対戦し「特に伸ばしたい選手」に「江越選手であったり、高山選手」と具体名を挙げた。

「中堅選手の底上げがチームにとってはすごく必要なことだと思う。江越選手にしても高山選手にしても、スピードもあるし。特に江越選手に関しては、球界随一のスピード、守備力というのがあるので、しっかりサポートできたらより良い選手になってくれるんではないかと、ずっと思って見てました」

嶌村球団本部長は「選手に情熱を持って愛情を持って、厳しく優しく接している。最後まで選手と向き合って、『この子のため』にというところが見て取れる。また、そういう評判でもあった。そういうところが、一番の決め手。非常にいいコーチに来ていただいた」と語った。背番号は76。

◆工藤隆人(くどう・たかひと)1981年(昭56)3月30日生まれ。青森県黒石市生まれ。弘前実1年夏に甲子園出場。青森大-JR東日本から04年ドラフト9巡目で日本ハム入団し主に守備固めや代走などで活躍。08年11月、マイケル中村投手とともに巨人へ(交換要員は二岡、林)。11年シーズン途中にロッテ、14年に中日に移籍。18年に現役引退。19年から中日で外野守備走塁コーチなどを歴任。現役通算通算635試合で打率・254、1本塁打、49打点。