ヤクルト先発の2年目右腕、奥川恭伸投手(20)が大舞台でプロ初完封を飾った。

球数は98球。100球未満の完封を意味する「マダックス」で達成。6安打9奪三振で無四球無失点に抑え、歓喜の輪の中心に立った。レギュラーシーズンでは最長7回までだった右腕が、チームに貴重な白星をもたらした。

パ・リーグCSではオリックス山本由伸投手も完封。同日に若手2人が完封するゲームとなった。

▼20歳6カ月の奥川がCS初登板で完封勝利。プレーオフ、CSの完封投手では、07年CSファーストステージ<3>戦の成瀬善久(ロッテ=21歳11カ月)を上回る史上最年少となった。日本シリーズを含めたポストシーズンでも、67年日本シリーズ<2>戦の堀内恒夫(巨人=19歳9カ月)に次ぐ2番目の若さ。

▼奥川は公式戦の1試合最長イニングが7回(5度)だった。公式戦で完封勝利のない投手がポストシーズンで完封勝ちしたのは、66年日本シリーズ<6>戦の益田昭雄(巨人)、13年CSの岡本洋介(西武)菅野智之(巨人)美馬学(楽天)に次いで5人目。

▼奥川の投球数は98球。ポストシーズンで100球未満の完封は、77年プレーオフ<5>戦の足立光宏(阪急)がロッテを88球で完封して以来44年ぶり5人目。足立の他には日本シリーズでスタンカ(南海)が3度、別所毅彦(巨人)が2度、杉下茂(中日)が1度マークしている。

▼ヤクルトの投手が完封勝ちしたのはCS初。ポストシーズンでは日本シリーズ78年<7>戦の松岡弘、97年<1>戦の石井一久に次いで24年ぶり3人目。