日本ハム谷川昌希投手(29)が“木田フォーク”でBIGBOSSをオトす。今季途中で阪神からトレード加入した右腕は23日、2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で自主練習。

新庄剛志監督(49)の母校、西日本短大付がある福岡・八女出身のリリーバーは来季こそ、勝利の方程式入りが絶対目標。縁のある指揮官が見定める1軍戦力となるべく、今オフは木田優夫2軍監督(53)から伝授されたフォークに磨きをかけ、勝負球に仕上げる。

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谷川は今オフ、BIGBOSSに認められるウイニングショットを完全マスターする。鎌ケ谷で自主練習後に、新たな勝負球について明かした。「ファームで木田さんにフォークを教えてもらった。後半戦、フォークで空振りを取れたりした軌道は自分の中でも手応えがあります」。転機は8月に2軍戦の遠征で訪れた仙台のブルペンだった。

当時、2軍総合兼投手コーチの木田2軍監督からアドバイスされたフォークを投げると、その落差に驚いた。「うそやん…」と、思わずつぶやいていた。これまでもフォークは投げていたが、自信がなかった。「深く握ると抜ける感覚があった」と、浅い握りで手首を固定しながら投げていたが、木田2軍監督の助言で深く握り、手首も固定せずに使うことを意識して変わった。「衝撃でした。今までと感覚が全く違った。これハマった」と、得意のシュートに続く武器として、大きな手応えを得ていた。

苦手だった左打者との対戦も苦にしなくなった。「やれる自信もある。来年は勝ちパターンで」と、勝利の方程式入りを目指す谷川は来季が30歳シーズン。「この年齢で、1軍で投げないとアレなので…」と、勝負をかける22年は新庄監督が就任する。20日に鎌ケ谷を訪れた指揮官と初対面を果たした谷川は「僕は福岡・八女市出身で新庄さんも(同市にある西日本短大付出身)。それは伝えさせてもらいまして」と、あいさつすると「八女出身なの? 」と反応されたという。

縁があっても、最後は実力社会と分かっている。「結局、敵は自分。しっかり自分を見つめなおして、来年は戦力として使ってもらえるように」。今季は移籍後、1軍では9試合登板にとどまった。悔しさをバネに“木田フォーク”を完全習得し、BIGBOSSが築く勝利の方程式の一員になる。【木下大輔】