球界最強エースのようなストレートを追求し、もっともっと成り上がる。

楽天酒居知史投手(28)が27日、仙台市内の球団事務所で契約更改し、3000万円アップの7000万円でサイン。来季へ向けて「50試合以上投げて、防御率は1点台を目指していければ」と決意を新たにした。ロッテから美馬の人的補償でやってきた移籍2年目の今季は勝ちパターンを担った。54試合に登板し、4勝3敗3セーブ、28ホールド、防御率2・28だった。

試合の命運を左右する重要局面で投げてきたからこそ、1球の怖さ、重みも痛感した。ロッテとのCSファーストステージ第2戦。7回、マーティンに同点ソロを許した。その内角145キロ直球を完璧に運ばれた経験を胸に刻み、成長の余地として取り組んでいく。

「駆け引きがある中で、分かっていても打てない真っすぐ、変化球があると、ピッチャーとしてすごい自信になる。そういった球に限りなく近づきたいという思いがすごくある。真っすぐを、あのように打たれてしまった結果を踏まえると、まだまだ真っすぐは追い求めることができる」

その直球の理想像については「山本由伸」の名を挙げた。「あんな真っすぐを投げられるように」と思い描く。打者を圧倒できる領域まで到達するのは困難とは分かっている。ただ「それを目標にしてやっていかないと、これ以上に上にはいけない」と現状に満足しない決意をにじませた。結果を残せば、相手から研究され、対策も施される。それでも抑えられるよう、志高く、さらなる進化を遂げていく。【上田悠太】