阪神青柳晃洋投手(27)が来季の開幕投手に名乗りを上げた。1日のテレビ出演後に、オンライン取材に応じ、来年3月25日ヤクルトとの開幕戦(京セラドーム大阪)の先発に意欲を示した。今季ヤクルトから4勝を挙げ、相性は抜群。投手2冠に輝いた変則右腕が自身初の大役へ強烈にアピールした。

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自信の「挙手」だ。青柳が来季開幕投手への意欲を問われると、力強く言った。「先発をやる野球選手としては、誰もが狙っているところだと思う。本当は今年もずっとやります、と立候補していたんですけど、晋太郎になったので。また来年狙えたらいいかなと思います」。今季の開幕前も熱望していたが、藤浪が起用された。自身初の2ケタ13勝で最多勝を獲得するなど2冠と実績は残した。満を持して、自身初の大役に名乗りを上げた。

開幕戦は来年3月25日(京セラドーム大阪)。相手は日本シリーズの覇者、ヤクルト。優勝を争った相手にリベンジするためにも、初戦は重要だ。矢野監督は開幕投手が白紙状態であることを語っているが、実績を考慮すれば、青柳は本命の位置にいる。ヤクルトに対し、今季球団別最多の4勝。「今年最初(相性が)よかった選手に来年は打たれるかもしれないので、自分の技術だったり、実力を伸ばすことが一番」と本人は謙虚に語るが、心強いデータが後押しする。

エース級の期待される来季へ、さらに高い目標を設定した。「僕がプロに入ってきた時に比べれば、だいぶ(力が)ついてきた。13勝と挙げていた今年(の目標)はクリアできた。それ以上成長できるように15(勝)」と言い切った。2年連続で最多勝のタイトルを獲得すれば、球団では65、66年の村山実以来の快挙となる。「タイトルは後からついてくる」と着実に1勝を積み重ねる決意だ。

大役抜てきへ、2カ月のオフは大事な期間となる。「いまさら体を大きくしようとかそういうのではない。今年は夏場過ぎから1カ月間勝てなかったので、崩れないフォームを作るための体作りをやっている」。開幕投手、そしてエースの座へ。ドラフト5位以下の入団では球団史上初めての2桁勝利を挙げた男が、新たな1ページを刻む。【前山慎治】

○…青柳は今年から1勝につき10万円相当の本および物品を寄贈すると発表した。生まれ育った神奈川県横浜市鶴見区の市立小学校、市立保育園を対象とする。今季13勝を挙げたため、130万円相当の品物を贈る。「本は読んだ方がいい。大人になってから本をよく読むようになって、もっと早く出会っていれば良かったなと思う本もあったので」と思いを込める。