阪神岩貞祐太投手(30)が「馬原イズム」で復権を目指す。24日、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約交渉に臨み、200万円減の年俸4500万円でサイン。今季は救援で自己最多の46試合に登板も防御率4・66と振るわず、V争いの佳境で戦力になれなかった。逆襲を期し、1月上旬に沖縄で九州アジアリーグ火の国の馬原孝浩監督兼GM補佐(40)に志願して自主トレすることを明かした。

「シーズンで安定した投球を続けられるよう(調子の)良い悪いの波を減らせるように基礎体力を上げようと思う。一番は体づくり。疲労に強い体を、シーズンで言うと省エネですね」

リリーフ2年目の今季は開幕1軍も、夏場の7月に2軍降格。数字は4勝0敗12ホールドながら本来の勢いは出ず、浮き沈みの激しいシーズンになった。来季のリベンジに向け、馬原氏はうってつけの存在だ。元ソフトバンクの守護神で07年はセーブ王。オリックスにも在籍し、通算182セーブで救援のスペシャリストだろう。「高校の先輩。もともと面識があった」。必由館(熊本)の大先輩に入門しない手はない。初めて弟子入りし、約10日、鍛える。

今年は本調子ではなくても投手キャプテンの役割をまっとうした。来季3年目の及川が台頭し、ルーキー左腕も大量加入。「自分としてはもっとやれる。負けるつもりはない」。刺激も多い。熊本地震の支援継続、師と仰ぐオリックス能見兼任コーチの奮闘…。42歳の能見とは数日前も約1時間の長電話で話し込んだ。「50試合と20ホールドが目標」。13年ドラフト1位左腕が、失地回復を目指す。【酒井俊作】

▼阪神は岩貞がサインし、全58選手の契約更改を終えた。全選手が一発サインで、アップした選手が26人、ダウンは20人だった。最高年俸は複数年契約を結んでいる西勇の2億円。優勝争いの末2位となり、活躍した主力選手は軒並み大幅アップ。岩崎、近本、青柳、秋山が新たに1億円プレーヤーの仲間入り。逆に糸井は1億円ダウン、藤浪も6年連続ダウンと厳しい更改になった選手も。総額は今季より3億1950万円増となる。