中日に移籍が決まった岩崎翔投手(32)が6日、名古屋市内の球団事務所で正式契約を交わし、入団会見を行った。

昨年12月、又吉のソフトバンクへのFA移籍に伴う人的補償で背番号「16」を引き継ぐことが決まった右腕は「又吉くんがつけていた番号でチームメートもファンの方もそのイメージが強いと思うので負けないようにしたい。立浪監督を胴上げできるよう貢献したい」と前を向いた。

ドラゴンスカラーのブルーのネクタイで会見に臨んだ。「1日も早く中日の一員になりたかったので近くのイオンで買いました」。人的補償というFA制度への負の思いもまったくない。「資格を取った選手が優遇されるべきだと思う」。そう言い切った岩崎は「選んでいただいて感謝している」と澄んだ目で続けた。

中日と無縁ではない。07年の高校生ドラフトでは中日からも外れ1位で指名され、抽選でソフトバンクに入団。同期生の田島や市立船橋の先輩となる小笠原2軍投手コーチもいる。「浅尾(2軍コーチ)さんにもプライベートでお世話になっています」。移籍が決まると今季から投手キャプテンを務める大野雄から電話も受けたという。「しっかりサポートするからと言っていただいた。立浪監督からも電話をいただき、申し訳ないほど気を使っていただいた」と感謝した。

ソフトバンクでは14年間で299試合に登板して30勝33敗11セーブ。「昨年、手術から復帰して自己最速(157キロ)が出たのでそこを強みにしていけたら。勝利の方程式の一員に入れるように頑張ります」。今後は福岡で自主トレを行うが、当面の目標は3月2、3日に予定されるソフトバンクとのオープン戦(ペイペイドーム)。「そこにいけるように2月しっかりアピールしたい」と古巣相手の登板を見据えた。【安藤宏樹】

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○…中日への移籍会見を終えた岩崎から報道陣にも手土産が配られた。福岡名物の洋風まんじゅう「博多通りもん」を持参していたもの。会見では「早く名古屋に行きたいという思いが日に日に強まっていた」と話した右腕の細やかな心配りに球団関係者も感心した様子だった。

◆博多通りもん 福岡市に本社を置く1929年(昭4)創業の博多西洋和菓子メーカー「明月堂」の一番人気賞品。とろりとした白あんを、ミルクの香りがするきつね色の薄皮で包んだ洋風まんじゅうで、1993年(平5)に誕生。CMには福岡市出身の漫画家・長谷川法世が出演し、自らが描いた博多っ子と博多弁で「まあ、通りもんば食べんね」などと会話。菓子、CMとも多くの福岡県民に知られている。