若虎よ、外国人不在の間にアピれ 阪神は21日、兵庫・西宮市内でスタッフ会議を開き、1、2軍キャンプのメンバー振り分けを発表した。1軍は遠藤成内野手(20)ら8人をキャンプ初の1軍に抜てきするなど、平均年齢は矢野体制4年目で最年少の26・1歳。人数も同最少の36人に絞った。大きな要因にコロナ禍で来日時期が不透明な外国人選手の影響があるが、若虎にとってはアピールの大チャンス。矢野燿大監督(53)も新星台頭に期待大だ。

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1軍宜野座キャンプのメンバーに、矢野監督のメッセージが込められていた。スタッフ会議で1、2軍の振り分けを決定。際立ったのは若手選手の多さだ。及川、村上、湯浅、遠藤、高寺。そしてルーキーの鈴木、桐敷、ソフトバンクから移籍の育成渡辺と1軍キャンプ未経験の若虎が8人組み込まれた。平均年齢26・1歳は、矢野体制4年目で最も若いフレッシュメンバーだ。

矢野監督 若い選手が特に成長スピードが一気に加速する可能性がある。まだポジションも決まっていない。いろんなところが奪い取るような形の中で、競争が大きなテーマになってくる。誰が出てくるのかを皆さん楽しみにしてもらいたいし、僕もそこを一番楽しみにしたキャンプになる。

しかも選ばれたのは、就任4年目のキャンプで最少の36選手。20年の44人と比べて8人も少ない。矢野監督は「コロナもあるし、いろいろ考えて」と理由を明かしたが、コロナ禍で来日時期が不透明な外国人選手の影響が大きい。現在来日しているのはガンケルとチェンだけで、マルテやロハス、アルカンタラは到着の発表がない。他球団と同様に新外国人はウイルカーソン、ケラーの入国が未定で、最悪の場合はキャンプ不参加も考えられる。

矢野監督は守護神候補のケラーについて「いるほうがラッキーやし、いなくても仕方ない。1人で埋められると思ってないし、何人かで補うことになるかもしれない」とも話した。誰が空いた椅子を奪うのか? 指揮官はキャンプ第1クールの3日、そして休日明けの5日に実戦形式の練習を組み込むと明言。若手にとっては外国人の準備が整わない間に、アピールする大チャンス。矢野監督も取って代わるぐらいの新戦力登場を願っている。

矢野監督 若いチームなのでまだまだ鍛える量もあるし、スローガンの「イチにカケル」ところがキャンプの課題でもある。もう1歩いくために何が必要かを考えながら。それが量の時もあるし、さらに質を高めるところにもなると思う。スローガンを意識しながらキャンプを積み重ねたい。

アピールの舞台は用意された。キャンプインから目をぎらつかせた若虎が火花を散らす。【桝井聡】

▽阪神村上(初のキャンプ1軍)「監督やコーチの目に留まるように、自分の存在を知ってもらえるように頑張っていきたい」

▽阪神高寺(初のキャンプ1軍)「アピールを本当にしないとという気持ちが強い。走攻守全てで、しっかりアピールできれば」

▽阪神及川(初のキャンプ1軍)「率直にうれしい気持ちが一番です。沖縄でまた一からアピールしていきたい」