課題を次のマウンドに生かす。先発ローテ入りを狙う楽天西口直人投手(25)が今季の実戦で初先発し、3回4安打無失点に抑えた。12日阪神戦の中継ぎ登板に次ぐマウンドは小雨が降る状況。毎回走者を許したが、粘りの投球でスコアボードに「0」を並べた。チームは6点リードの7回、ドラフト2位安田悠馬捕手(21=愛知大)の実戦初本塁打が飛び出すなど、4本のアーチを描いて8-0で快勝した。

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西口が、雨天の先発マウンドで踏ん張った。相手は昨季日本一。躍進の一翼を担い「1番中堅」で出場した塩見に2安打され、3回までに2度先頭打者を塁に背負った。交代前の3回2死三塁では4番松本友と対戦。カウント1-2から直球で詰まらせ、仲間の好プレーもあり、三ゴロでピンチを脱したが、「テンポよく、真っすぐでどんどん押していきたかったが、先頭打者を2回出して3者凡退はなかった。結果的にテンポが悪くなってしまった」と反省した。

勝負のプロ5年目だ。昨季は主に中継ぎで33試合に登板し、プロ初勝利を含む5勝2敗でブレーク。今オフから実績ある投手が多い先発に挑戦している。バッテリーを組んだ17年目捕手の炭谷とコミュニケーションを交わし「真っすぐにタイミングを合わせるバッターを変化球でちょっとずらせたことは良かった」。構えたミットに投げ込むも「自分の中で長いイニングを見据えて投球をしていかなければと思いすぎて、腕の振りも若干甘くなってしまった」と分析した。

実戦は4戦目だが、先発枠を争うライバルの高田孝、鈴木翔も実戦で3回無失点。熾烈(しれつ)な争いはまだまだ続く。「次は全力でどこまでいけるかだと思うので、初回から全力でいって1イニング、1イニング、0を積み上げていければ」。1試合ずつ、首脳陣にアピールを重ねていく。【相沢孔志】