日本ハムの捕手陣が20日、沖縄・名護で歴代最多3021試合出場を誇る谷繁元信氏(51=日刊スポーツ評論家)に指導を受けた。ブルペンで加藤の投球を受ける実演を、清水、郡ら6捕手が目に焼き付けた。スローイングや足の運びなど、基礎的な動きを約1時間、学んだ。

昨年末に新庄監督から正式オファーを出し、谷繁氏も快諾して実現した。「谷繁さんって独特で」とBIGBOSSも驚いたのが、キャッチング時にミットを一切動かさず、捕球面を投手に見せ続ける技術。新庄監督が投球していた加藤に投げやすさを聞くと「ボールのラインが見えるから投げやすい」とうなずいた。

ミットを1度下げて捕球のタイミングを計っていた郡は「僕が考えているのと全然違った。投手も見やすいし、的をつくってあげた方がいいと言っていた。練習していこうと思う」と、考え方の幅を広げた。

清水は「勝てる試合を落としたら、次の日へどう切り替えるか」と、メンタル面も質問した。「中身までは言えません」と伏せたが、技術面も含めて「やっていきたい」と力を込めた。

昨季の捕手陣は123許盗塁で、盗塁阻止率は2割1分7厘。2年連続で12球団ワーストだった。この日の指導を踏まえて新庄監督は、二塁送球の「タイムを計らせたい」と言った。盗塁阻止には最低でも1・9秒台が求められ、谷繁氏の全盛期は1・7秒台。現在地を認識した上で、助言を生かしてレギュラーが台頭するか。近年は正捕手を確立できていない。きっかけを与えてもらった捕手陣がレベルアップできれば、チーム力も必ずアップする。【木下大輔】

◇ここまでの“新庄殿の8人”

◆2月2日 元陸上10種競技日本王者で日本フェンシング協会会長の武井壮氏(48)が2日間にわたり1、2軍キャンプ地で、歩き方など日常生活の動きから指導。

◆同7日 元阪神の赤星憲広氏(45)が野手には盗塁の考え方や技術、バッテリーには盗塁阻止には投球テンポを変えることが大事と説いた。

◆同10日 元阪神の藤川球児氏(41)が2軍キャンプ地の沖縄・国頭で、吉田に「火の玉ストレート」のコツを伝授。

◆同11日 阪神戦(名護)の試合前、別の仕事で訪れていた元広島の前田智徳氏(50)が、新庄監督に促されて急きょ石井らに打撃指導。

◆同16日 中日戦(北谷)の試合前、立浪和義監督(52)が清宮にタイミングの取り方などをレクチャーした。