阪神藤浪晋太郎投手(27)が25日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)で2年連続2度目の開幕投手を務めることが16日、濃厚となった。球団は同日、開幕投手に決定していた青柳晃洋投手(28)が新型コロナウイルス陽性者と濃厚接触の疑いがあるため、球団の判断で自主隔離すると発表。開幕9日前の緊急事態を受け、当初は開幕2戦目の26日同戦で先発予定だった右腕の「繰り上げ先発」が最有力となった。

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開幕を9日後に控えた16日夜、虎の緊急事態が公となった。球団は青柳が新型コロナ感染者と濃厚接触の疑いがあるため、自主隔離に入ると発表。開幕投手のまさかの離脱を受け、「代役藤浪」が濃厚となった。青柳はこの日も1軍残留組が集まった鳴尾浜で調整。ブルペン投球も行っていた。16日に受けたPCR検査では陰性となったが、今後のチーム合流は未定。プロ7年目で初めてつかんだ大役の座を手放さざるを得なくなった。

矢野監督はペイペイドームでのソフトバンク戦後、青柳の開幕投手断念を「いや、もう仕方がないよ、こればかりは。全員で何とかしていくしかない」と冷静に受け止め、「ヤギもそういうのをプラスに変えられるヤツなんで」と右腕の胸中をおもんぱかった。開幕戦の代役については「いやいや、まだそれは」と話すにとどめた。

ただ、西勇、伊藤将、秋山の3人はすでに開幕2カード目に向けて調整を進めている。ここに来てのプラン大幅変更はかなり難しい状況だ。一方の藤浪はもともと開幕2戦目となる26日ヤクルト戦での先発が見込まれていた。先発日を1日前倒しする「繰り上げ先発」は十分可能な状況だ。

藤浪はオフに巨人菅野と自主トレを共にして、軸足の使い方を改善。2月の沖縄キャンプ中は実戦4試合登板で計10回2失点と結果を出し、指揮官が選ぶキャンプ投手MVPにも選ばれた。3月5日の楽天戦は4回5失点と苦しんだが、12日の中日戦は5回を6奪三振2四球で無安打無失点と快投。今春は110キロ台のカーブも交えた緩急にも活路を見いだし、一気に安定感をアップさせている。

昨季は自身初の開幕投手に抜てきされ、3月26日の神宮球場でヤクルト打線を相手に5回2失点と粘投。1年前の経験も大きな武器となることは間違いない。昨季セ・リーグ最多勝と最高勝率の2冠に輝いた変則右腕の代役に、藤浪が指名される可能性は高い。