オリックス山本由伸投手(23)が、6回1死満塁からソフトバンク柳田に自身初のグランドスラムを被弾した。

左中間テラス席に弾む白球を確認すると、手を両膝につき、マウンドの黒土に視線をやった。

この日124球目の153キロ直球を打ち返された。この一撃で勝負は決まった。山本は自己ワーストの7失点(自責6)でマウンドを降りた。被安打10も自己ワーストタイだ。

三塁側ベンチに戻ると、ガックリ肩を落とした。ただ、普段と同じく、左手のグラブをベンチ端に置くと最前線で戦況を見守った。味方の反撃を願い、勝利にこだわる背番号18の気持ちが垣間見えた。

6回途中10安打7失点。3失点以上は自身23試合ぶりで、22試合継続してきたクオリティースタート(6回以上、自責3以内)も途切れた。「チームが(5回に)同点に追いついてくれたのに、粘り切れず悔しいです。今日はそれしか言えることがありません」。悔しさを胸にしまい込み、山本は多くを語らなかった。

カード頭を落とし、2連敗。4位転落で借金1となった。中嶋監督は「(昨年)5月、悪かったですよね? それ考えたらね。人間です。機械じゃない。悪いときもあります。アホみたいに心配してないですよ」と、エース右腕を信頼する。先発の通算月別勝敗で唯一負け越している鬼門の5月を乗り越えてこそ、もっと強くなれる。【真柴健】

○…ドラフト5位の池田陵真外野手がプロ初打点をマークした。1点を追う4回1死三塁から右前に一時同点となる適時打を放った。大阪桐蔭出身の18歳は「なんとか食らいついていこうと思って必死に打ちました!」と生き生きと話した。中嶋監督は「得点圏で、しぶとい内容を見せてくれたら、使いたくなりますよね」と評価した。

 

【関連記事】オリックスニュース一覧