ソフトバンクのニューヒーローが「こどもの日」に輝いた。3年目の柳町達外野手(25)が決勝打を含む2安打2打点の活躍で、チームの対オリックス2年ぶりカード3連勝に貢献した。柳町は10試合連続安打。規定打席不足ながら“隠れ首位打者”の3割9分1厘の高打率をマーク。昨年ウエスタン・リーグで最多安打の若鷹が、このまま定位置奪取を狙う。

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勢いに乗る男がまた打った。同点の6回1死二、三塁。柳町は腹をくくった。「チャンスだったので。初球から振って、なんとか前に飛ばそうという気持ちでした」。相手先発ワゲスパックの、甘く入った初球を見逃さなかった。とらえた打球は鋭く伸び、左翼手の右へ。これが決勝の2点適時二塁打になった。

3月末に左膝を痛めた栗原に代わって昇格。昨季、2軍監督だった藤本博史監督は、ウエスタン・リーグで最多安打の柳町を「安打ということに限ったらナンバーワン。1軍に行っても2割7分、8分は打てる」と、打撃面を高く評価し、起用を続けてきた。一方で、指揮官が課題として指摘していたのが、好機での消極的な姿勢だった。

敗れた1日楽天戦では、初回2死満塁で見逃し三振。指揮官は「チャンスになればなるほど、ボールを見てしまう。もっとがっついていくくらいでいい」と、アグレッシブな姿を求めていた。それだけに、この日の初球打ちV打には「ああやってファーストストライクからしっかり振ってくれれば、ああいうタイムリーが打てるんだから。よく打ってくれましたね」と満足そうだった。

この日は7回にも左前打。10試合連続安打で、ここ10試合は35打数17安打と打ち出の小づち状態。レギュラー定着も現実味を帯びてきた。6日ロッテ戦では佐々木朗と対戦予定。柳町は「打てれば一番いいですけど、なんとか1個でも出塁したり、1球でも多く投げさせたり。チームの勝利に近づけるような1打席、1打席にしていきたい」と謙虚にアピールを続けていくつもりだ。

活気づいた打線は7回に一挙6点を奪うなど、9安打9得点とつながりを見せた。昨季王者オリックスには、2年ぶりにカード3連勝。乗ってる若鷹とともに、一気の5月攻勢に出る。【山本大地】

 

○…中継ぎに回ったレイが救援初登板で白星を手にした。同点の6回から登板し3回38球を投げ無安打無失点の完璧な内容。打線も6回に2点勝ち越すと7回には大量6点の援護。「今日は求められた場面で、求められた結果を出すことができたと思います。これからも結果を残し、チームに求められる仕事をしていきたい」。2勝目を手にして笑顔が戻った。

▽ソフトバンク中村晃(7回、中前に2点タイムリー)「当たりは良くなかったが、いいところに飛んでくれました。流れが良かったので、ヒットになってくれた。1本出て、ホッとしています」

▽ソフトバンク今宮(7回の右前タイムリーに)「外の真っすぐを捉えることができました。前の打席までの感覚が良くなかったので、何とか次につなぐ意識で打席に入った」

▽ソフトバンク上林(昨年3安打のこどもの日に2安打)「子ども大好きなんで、来年以降も打てるように頑張ります」。

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